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jiku-kan

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なにわの海の時空館
大阪湾の環境の研修会で、2013年度に閉鎖してしまうと聞き、見学に行きました。
とても勉強になりました。廃館では、中に納められていた資料がもったいないばかりです。

興味を引かれた内容
 ・ 菱垣廻船や船を作るための道具・釘(くぎ)
 ・ 船の部位ごとに違う木の材質
 ・ 業務内容
 ・ 薬などの運搬品

訪問:2012年11月

画像を拡大してご覧ください。

菱垣廻船(ひがき かいせん)で運搬した品物

菱垣廻船で運んだもの 棹銅 

釘類、櫃物(しつもの)、竹皮、畳表、古手、昆布、染草、絵具、チリ紙、巻縄、
小間物、操綿類、木綿、半紙、南京綿、薬種、タバコ、痛物(いたみもの)類、
糸類、銅類、鉄物、米、線香、素麺、鰹節、ろ木、乾物、青筵(あおむしろ)、
塗物類、箱物、瀬戸物、仐入篭類(仐=さん)、茶、すき、蝋、糠(ぬか)、水油、
砂糖、砥石

棹銅(さおどう)
  純 度: 99パーセント
  生産高: 6,000トン
  最大の輸出品。輸出先は中国、朝鮮、東南アジア、ヨーロッパ

薬種と効能
道修町(どしょうまち)に運ばれた。

  安息香 : 咳止め
  丁 子 : 痛み止め
  没 薬 : ぢ
  伽 羅 : 香木
  朝鮮人参: 万能薬

ここで学ぶうちに、菱垣廻船の運搬物資や大阪湾の歴史が、平日通っている勤務地と
密接に関わっていると分かって来て、じわじわと感動を覚えました。

勤務地の周囲には縦横に川が走っており、舟の往来していた時代を身近に感じます。
また職場の近くの道修町(どしょうまち)には薬屋さんが点在し、武田薬品さん、
田辺製薬さん、塩野義製薬さんの本社があり、緒方洪庵先生の適塾があります。

適塾の隣には知る人ぞ知る民間では日本最古の「愛珠(あいしゅ)幼稚園」があり、
正門前には「銅座跡」と石碑に歴史が残っています。

現代に生きる元気いっぱいの子ども達の姿が純和風の門を出入りする風景は、銅や薬種の運搬をはじめとした地域の歴史とごく当たり前に調和しており、ため息が出ます。

余談ですが、この幼稚園、夏にはザクロが実ります。
子どもの施設といえばソメイヨシノが多い中で、素敵です。

愛珠幼稚園:現在は大阪市立・1901年(明治34年)の建築

菱垣廻船

1.舵(かじ)

エスカレーターから見上げる菱垣廻船の底 30尺の舵 舵が稼動する隙間「艫(とも)」 大きく開いた艫(とも)
30尺あります。
30.3cm(1尺)×30=909cmなので、舵の長さは9mです。
舵が大きいと横風に簡単に流されません。
逆に、舵が長いと困る浅瀬では引き上げていました。


2.艫(とも)

艫、浪華丸

和船の特徴は、艫(とも)が大きくあいているところで、
大波で舵が船に当たって壊れるのを防いでいます。
種子島に来た船は(ポルトガルからの鉄砲伝来の船)密閉された艫でした。

※ 真艫(まとも)な行い: 
  艫のところに真っ直ぐ風が当たって、船がまっすぐ進むところから。


3.「菱垣」の由来、装飾

菱垣 梅の柄 船内

ケヤキで「菱形に組んだ」部位が菱垣廻船の名の由来のようです。
積載量が多かったので、それに耐えうる構造なんだろうと思われます。
梅の彫刻も施されて、この運搬船を当時の人が大切に思っていた様子がうかがえます。

船内にも入れました。もう少し写真を撮っておけば良かったです。


4.帆

帆摺管(ほずれくだ) 菱垣廻船を上から見た図

長さ20m、幅18m、317kgの帆には、松右衛門(まつえもん)が利用されています。
タワシがつながっているように見える部分が見えるでしょうか?
帆摺管(ほずれくだ)」という名前で、
風で揺れた綱が帆に摺れて切れてしまうのを防ぐためについています。


5.使われている材

画像の説明 画像の説明 画像の説明

樹木の特質を活かした部位ごとの利用をされている。

弁甲杉: 種名の標記が標準化されていないパネルなので惑わされますが、
     弁甲杉という樹木があるのではなく、船の制作用に平たくしたものを
     弁甲(べんこう)と呼び、安くて入手し易かったらしいです。
中国松: こちらも標準和名で表記してくれたら嬉しいのになぁと思いました。     
ス ギ: 安くて手に入れ易い。
ヒノキ: 水に強く腐りにくいので、菱垣の部位に使った。
カ シ: 樫。木偏に「堅い」と書くことから分かるように、材は非常に堅い。
     「部屋のふた」、舵に使用。舵は大変に強い。
ケヤキ: 強く、見目美しい。


6.馬のしっぽの毛

馬のしっぽの毛 馬のしっぽの毛

馬の尻尾の毛をたくさん使用して、編みこんで紐にしてありました。
何とも手の込んだ造りの船です。


7.職人の手による様々な釘

のこぎり多種 大きな輪かすがい 通り釘

左:平かすがい、右:縫い釘 左:包み釘、右:カイオレ釘 左:平釘、右:丸頭角タック

縫い釘で木材をつなぎとめている 縫い釘で木材を2箇所つなぎとめている 左側に輪かすがい、右側に縫い釘を使用

木と木をつなぐのに輪かすがいを使い、縫い釘を用いています。
日本の大工さんの技術力はすごいと、いつも関心しますが、またその船大工さんの
必要に応える釘職人さんの腕にも感服する思いです。


8.鉋(かんな)や墨入れ

鉋(かんな) 墨入れ、横から見た図 墨入れ、上から見た図

鉋(かんな)がザクザク…。
墨入れは、スミレの花の形を説明する際に伝えたい道具です。

船首像(せんしゅぞう figurehead)

船首像とは、航海の安全を願って船につけられる守り神なのですが、船に着いていない状態で空間に置いてあると、唐突な感じがありました。

最も奇抜だったのが、このサグレス。
figurehead:サグレス

figurehead: Sylpheed figurehead figurehead

航海で利用した道具類

もっと多くの道具類が展示してありました。

地球儀 地球儀 トラバースボード

地球儀

星で緯度を測った
コートランド(四分儀(しぶんぎ))
セクスタント(六分儀)
オクタント(八分儀)
アストロラーべ(全円儀)
クロススタッフ

星で時刻を測った
ノクターナル

埋め立ての技術

大坂湾のディオラマ 江戸時代の湾の地図 埋め立ての様子

水を干上がらせる技術 鋤鎌じょれん? 組ごとに違うはっぴや幟

大坂の港は既に江戸時代から埋め立て事業が行われていました。
くぼみにたまった水を汲み上げる装置を作り、上段で人が足でこいで水を干上がらせており、時空館では自分でレバーを回して、水が上へ運ばれる仕掛けを体験できました。

「鋤鎌じょれん」という名前なのかな…大坂湾にたまった泥を掻き揚げる作業の様子がわかります。

一覧表
作業をしている人たちが「どこの組」かを見分けるために、はっぴや幟(のぼり)など統一することで目印にしていました。

ここでは大「坂」の字を選んで使用しています。

灯台の模型と船箪笥

灯台の再現ディオラマ 船だんす(懸硯かけすずり)

時空館にはたくさんのディオラマがあり、この灯台も巧く作られていました。
面白いのは何といっても道具類の展示でした。

右の写真は船箪笥(ふなだんす)すなわち懸硯(かけすずり)で、お金や印鑑、
帳簿に筆・硯などをしまい、持ち主以外は開けられません。
そして万が一のときには水に浮くほどの機密性…その技術力、ワンダフル。



船の模型

団平船(だんぺいせん)
団平船 団平船

御座舟

御座舟 御座舟

川御座舟

川御座舟 川御座舟 川御座舟

入館

時空通寛で入館する 空飛ぶ夢のような船? 菱垣廻船

和同開珎のような古銭をゲートに入れて入館し、エレベーターで地下へ。
扉が開くと、闇の中に浮かぶような構成で美しい船のオブジェが迎えてくれます。
どこか宮崎駿さんの映画を思わせる「プロペラ付きの大きな城下町」を船にしたよう。

群青色の通路をカモメの鳴き声と波の音に包まれて、数箇所ある天窓から大阪の海や
泳ぐ魚を見上げたり、壁面の資料を見ながら進みエスカレーターを上がると、おのずと巨大な菱垣廻船(ひがき かいせん)の底面を見上げる演出になっています。
菱垣廻船は実物大なので、圧倒されます。

(一番綺麗な群青色の通路の写真を撮り損ねました。)

大阪駅
 ・ 環状線(内回り)か
 ・ 大和路線「加茂」行き乗車します。
 ※ 進行方向の前側に乗ると、乗り換えが近いです。

弁天町下車、南口から中央線に乗ります。

コスモスクエア下車
 ※ この駅はややこしくて、ホームから上がるエスカレーターを
   最初に選んでおく必要があります。
   エスカレータ「C」に乗れば、[1]のところから出られます。

【なにわの海の時空館】は閉館しているのでバスも廃止されています。
けれども歩ける距離なので、不思議な海上の球体を見ながらのボードウォークを
お楽しみになるのは如何でしょう?
野鳥がお好きなら、大阪南港野鳥園もございます。

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